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“また落ちた”とLINEしてきた友人に、私が言えなかったこと

“また落ちた”とLINEしてきた転職活動中の友人への返答に悩む、人事担当者の女性を描いたビジネスイラスト。
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一ノ瀬真理子 一ノ瀬真理子

こんにちは、一ノ瀬真理子です。人事・採用の仕事に携わって気づいたら10年近くになります。今日は仕事とは少し離れた、個人的なエッセイです。


夜11時のLINE

「また落ちた。もう何社目だろ。私って何がダメなんだろうね」

そのメッセージが来たのは、平日の夜11時過ぎでした。送ってきたのは大学時代からの友人。30代半ばで転職活動中の彼女は、すでに数社からお見送りの連絡をもらっていると聞いていました。

私はしばらく、スマホを持ったまま固まっていました。


一ノ瀬真理子 一ノ瀬真理子

「大丈夫、次があるよ」って返せればよかったんですが、正直それが言えなくて。採用側の事情を少し知っているだけに、うかつなことを言えないんですよね……。


人事経験者として、「本当のこと」が言いにくい理由

採用に関わっていると、「お見送り」にした方の数は自然と積み上がっていきます。書類で通過できなかった方、面接でとても印象がよかったのに最終手前でご縁がなかった方。そのたびに何かしらの理由があって、でもその理由を本人に詳しく伝えることはほとんどありません。

採用担当が候補者をお見送りする際に判断していること、主なポイントを挙げると以下のようになります。

  • 求める人物像・スキルセットとのマッチ度
  • 入社後に活躍するイメージが持てるかどうか
  • チームや社風との相性(カルチャーフィット)
  • 現場の受け入れ余力やポジションのタイミング

これらは「能力が高いか低いか」だけで決まるものではありません。応募者本人に何も問題がなくても、タイミングや社内の都合でお見送りになることは普通にある。でも、「あなたには問題ないんだよ」という言葉は、落ちた人には慰めとしか聞こえない。その非対称性が、私を黙らせました。


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「ご縁がなかっただけ」って、採用側は本当にそう思って言うんですが、落ちた側には言い訳に聞こえますよね。この温度差、ずっとどうにかならないかなと思っています。


採用は「選ぶ」より「出会う」に近い、と私は思っている

長く人事をやっていると、優秀なのに縁のなかった方を何人も見てきます。逆に「採用するか少し迷った」という方が入社後に大活躍することも、決して珍しくない。採用って、精度を上げようとすればするほど「落とす理由を探すゲーム」になっていく節があります。

でも本来は、出会いに似た何かだと思っています。その日の面接官のコンディション、会社の事業フェーズ、ちょっとした言葉のすれ違い。そういう偶然が積み重なって「内定」や「お見送り」という結果になる。それは本人の価値とは、必ずしも一致しない。

友人に私はこう返しました。「あなたがダメなんじゃなくて、まだ出会えてないだけだよ」と。伝わったかどうかはわかりませんが、それが正直なところでした。


この感覚が、今の仕事への向き合い方を変えた

選ぶ側と選ばれる側の非対称性を少しでも埋めたい。そう思うようになってから、採用プロセスの設計や候補者への連絡文、面接後のフィードバックの仕方が変わった気がします。採用代行(RPO)という仕事は、突き詰めると「採用体験をより誠実なものにすること」だと私は思っています。

友人のLINEへの返信は短くなってしまいましたが、あの夜のもどかしさが、今も私を現場につなぎとめている理由の一つです。


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ちなみに友人はその後、ご縁のある会社に出会えて、今はいきいきと働いています。やっぱり「出会い」だったんだな、と改めて思いました。

この記事を書いた人

一ノ瀬真理子 採用戦略アナリスト

一ノ瀬 真理子

採用戦略フォーラム 代表 / 採用戦略アナリスト

早稲田大学商学部卒 米国MBA(HR/組織開発) 元リクルート 採用戦略コンサルタント 元三菱東京UFJ銀行 法人営業

採用戦略フォーラム代表として、マイナビ代理店業界の調査・分析と中立的な情報発信を行う。本サイトの比較・評価はすべて独立した立場で実施しており、運営元のSkywork株式会社は評価対象外としている。

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