3月になると、電車や駅のコンコースで、紺やグレーのリクルートスーツを着た若い人たちをよく見かけます。大きめのバッグを抱えて、スマホで地図を確認しながら早足で歩いていたり、駅のホームで緊張した表情で立っていたり。
私はそういう人たちを、ついつい目で追ってしまいます。「うまくいくといいな」と思いながら。でも同時に、なんとも言えない複雑な気持ちもあって。
就活の時期に思い出すことがあります。私自身の就職活動のことです。
当時の私は、正直あまり「自分が何をしたいか」がわかっていませんでした。周りが動き始めるから動いた、という感じ。説明会に行って、エントリーシートを書いて、「御社を志望する理由は〜」という文章を量産して。どこかで「これは嘘ではないけど本音でもないな」と思いながら書いていた記憶があります。
いくつかお見送りをもらいながら、最終的に人事職として採用していただいたのが今の仕事の出発点です。あの時の面接官に「あなたは人の話を聞くのが上手そうだね」と言ってもらったことを、今でも覚えています。
就活・転職活動の体験は、入社の可否に関わらず、その人に長く残ります。「ちゃんと見てもらえた」「誠実に扱ってもらえた」という体験は、たとえ不採用であっても、その会社へのポジティブな印象として残る。逆に、扱いが雑だったり連絡が遅かったりする会社は、何年経っても「あそこはひどかった」と語られ続けます。
採用体験が候補者に与える影響として、以下のようなことが挙げられます。
- 内定承諾率への影響(体験が良いほど辞退しにくくなる)
- 入社後の初期モチベーション・定着率との相関
- 採用されなかった候補者のクチコミ・SNS発信
- 将来的な顧客・パートナーとしての関係性
候補者は採用プロセスを通じて、すでにその会社を体験しているんです。
3月に街でスーツ姿の人を見るたびに、「あの人がどんな採用体験をするか」を少し想像します。緊張しながら受けた面接で、ちゃんと話を聞いてもらえたか。合否に関わらず、丁寧に扱ってもらえたか。
採用代行という仕事をしていると、「効率化」を求める声をよく聞きます。もちろん、無駄なプロセスを減らすことは大切です。でも、候補者への誠実さを省くのは効率化ではないと思っています。「速く・丁寧に」の両立こそ、採用プロセスの理想だと私は信じています。
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